就農を知る

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[未来人材プラス] ミニトマトで就農 脱サラし家族で移住 最新技術 地域けん引 静岡県伊豆の国市 岩渕 徹也さん(39)

 静岡県伊豆の国市の岩渕徹也さん(39)は、熊本県から移住してミニトマト栽培を始めた。環境制御装置の導入など技術を高め、10アール当たり収量は17トンとJA伊豆の国管内でトップクラスを誇る。縁もゆかりもない地での新規就農だったが、近隣には移住した農家が多く、助け合いながら地域をけん引する。

 祖父は兼業で米作りをしており、農業になじみはあった。大学では機械工学を学び、埼玉県の自動車関連会社に就職。転機は熊本県に転勤し、社会人として6年ほどたったころだった。

 結婚して子どももいたが、新規事業などを通して「自分もゼロから何か経営してみたい」と思うようになった。趣味でジャガイモやキュウリ、コンニャク芋などを栽培していたこともあり、農業に魅力を感じた。

 本やインターネットで新規就農しやすい環境を全国で探し、静岡県の「がんばる新農業人支援事業」にたどり着いた。農地の確保や資金面で不安が少ないと感じ、県内の募集の中でも、好物のミニトマトで就農できることが決め手となった。JA管内の農家の下で1年間研修を受け、2012年に同市で就農した。

 所属するJA果菜委員会は、60人中58人が新規就農者。移住して来た先輩や同期も多く「やる気がある農家ばかりで、困ったことがあってもすぐに聞きやすい」という。栽培技術を磨き、16年ごろに環境制御装置を導入。20年にはかん水制御盤や複数のハウスを制御できるシステムも設置、省力化を進める。10アール収量は当初の14トンほどから徐々に増やしてきた。

 妻ののぞみさん(35)は「農業は自由度が高く、学校行事も参加してくれる」と、会社員時代と比べて家族の時間が増えたことを実感する。

 徹也さんは、栽培面積を現在の28アールから43アールまで増やす予定だ。ミニトマト以外にも挑戦し「アスパラガスなども育ててみたい」と夢を広げる。