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[未来人材プラス]ユリと歩んで恩返し オランダで修業し父の後継ぎ就農 愛知県東海市・平松諭さん(28)

 「人との関わりの中に、常にユリがあった。一生ユリに関わっていくことが、お世話になった人への恩返しだと思う」。愛知県東海市の平松諭さん(28)は幼い頃からユリに囲まれて育ち、オランダでの研修を経てさらにのめり込んだ。就農して7年。今は流通方法も考慮して、自らがユリの魅力を届けている。

 ユリ農家で、花束加工業もしていた父は自宅裏で作業していた。かっこ良い姿に「父の後を継ぎたい」と思い描いていた。地元の農業高校を卒業後、県立農業大学校に進学した。そのまま家業を手伝うつもりだったが、その前に世界の生産現場を学ぶことを父に勧められた。卒業後、つてのあったオランダの大手ユリ育種会社で2回に分けて計半年間、研修した。

 平松さんはユリの魅力を「八重咲き品種など、育種が目に見えて進んでいて、いろんな花との出合いを楽しめる」と力説する。オランダでは多彩な品種を生み出した育種家の下で学び、最先端の品種や栽培技術を吸収。魅力にどっぷりはまった。

 帰国し、22歳で就農した。父は平松さんが小学生の頃に離農し、花束加工業に専念していた。そのため、2000万円ほど借金し、荒廃農地を再生しハウスを修繕。青年等就農資金を借り、30アールで栽培を始めた。現在は植え付け面積を60アールに増やし、11万本を直売所と市場に出荷する。

 「水切れのない花は咲き方が素直」だと言い、消費者まで美しい花を届けるため、流通ストレスの軽減に気を配る。市場出荷では、切り花を水に漬けた状態で運べる専用バケットを使う。直売所には近隣の7カ所に出荷。鮮度の良さを売りに1日約200本販売するほど人気を集める。

 「もっと花に触れ合うきっかけをつくっていきたい」と平松さん。ユリを一面に咲かせたカフェなど夢は広がる。ユリを通じて花と人との出会いを紡いでいく。

 

平松さんが学んだ愛知県立農業大学校のウェブサイトはこちら

 

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/noudai/