新規就農者

試行錯誤しながらイチゴ栽培 高松市・吉田紅緑さん(40)

 高松市の吉田紅緑さん(40)は、2022年4月に就農。綾川町へ通って、県オリジナル品種のイチゴ「さぬきひめ」を栽培する認定新規就農者だ。

 就農前は会社員だった。建物内での12時間勤務だったため、外の風景や天気などを感じることがない生活に疑問を感じていた。一度きりの人生、さまざまなことを体験したいと考え、20年に仕事を辞めた。イチゴ農家の友人から声をかけられて1年間手伝う中で、自身の所有する土地がなくても農家になれることを知った。本気で農家になるならと友人がJA香川県に相談。両親の勧めもあり、就農を決意した。

 21年4月に同JA農業インターン生となり1年間、JA香川県綾歌南部苺(いちご)部会の部会員の下で経営、栽培のノウハウを学んだ。土地は研修先の農家を通じて借りた。22年8月にハウスを建て、栽培を始めた。

 家族は両親、弟2人の5人家族。ハウス11アールで栽培する。基本的に吉田さん1人で作業をするが、忙しい時には弟や友人が手伝いに来てくれて助かっている。

 同部会に所属し、就農1年目は若手部会員の学習会に参加して見識を広めた。分からないことは、巡回指導に来てくれる県農業改良普及センターの職員や研修先の農家、イチゴ農家の友人に教えてもらっている。

 液肥を動噴で葉面散布したが、経験不足から病気が発生、収穫量が激減してしまった。病気の怖さを知った吉田さんは、病気にならないように細心の注意を払う。マニュアル通りのかん水や防除を行ってもハウス内の環境によって違いがある。自分なりに試行錯誤して換気時間やかん水量を工夫し、管理方法を探る。

 「名前に『紅』と『緑』があり、イチゴとの出合いは運命だと思う。1人で管理するので面積拡大は考えていないが、年間収量5トンを目標に頑張る。余裕ができれば、キュウリやシャインマスカットを栽培してみたい」と吉田さん。「イチゴは奥が深い。環境にあった栽培方法を確立し、おいしいイチゴを消費者に届けたい。パッケージに自分の名前の付いたイチゴを見つけたらぜひ食べてほしい」と語る。