新規就農者

魅力を若い世代に 高松市でブロッコリーなど栽培 常盤祐太さん(39)

  高松市香川町の常盤祐太さん(39)は、ブロッコリーやトウモロコシなどを栽培する4年目のIターン就農者だ。神奈川県のレストランで働いていた20代の頃、四国遍路の旅で香川県へ初めて来訪。街と自然のバランスに魅力を感じ、2011年に高松市へ移住した。

 17年、友人が善通寺の農園に勤め始めたことをきっかけに常盤さんも一緒に働き始め、すくすく育つ作物を前に、本格的に農業をやりたいと思うようになった。農地や機械を持っていなかったため、公益財団法人香川県農地機構や地元の農業委員、知人のサポートを受け、20年に高松市で独立就農を果たした。

 ブロッコリー2・1ヘクタール、トウモロコシ50アール、ナバナ20アールを1人で管理、栽培する。畑の水はけを改善するため、今年に入ってくわとスコップで一角に溝を掘った。耕運機の導入も検討したが、コストがかかるため手作業で仕上げた。

 8月上旬から取りかかるのは、ブロッコリー定植前の土づくり。化成肥料や有機質肥料の特性を確認し、割合を調整することで、病気予防や地質改善に努めている。ブロッコリーは10月に収穫する予定。

 「農業が面白い」という気持ちでこの世界に飛び込んだ。「農家の高齢化が進む一方で、新規就農者は少ない。時々、10年後の地域農業はどうなっているのだろうと考えることがある。農業の魅力が若い世代にもっと認知されれば、就農を考える人も増えると思う」と常盤さん。経営を続けるためにも、品質や収量を向上させ、安定した収益を確保することが目標。若い農家を増やすため、「農家出身でなくても農業経営ができる」という情報発信にも挑戦する。

・常盤さんをサポートした香川県農地機構のウェブサイトはこちら