新規就農者

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[未来人材プラス]規模拡大、効率を探究 ミニトマトで就農、ゼロから9棟24アールに 岩手県一関市・熊谷弘司さん(34)

 岩手県一関市の熊谷弘司さん(34)は、ミニトマト農家としてゼロから新規就農を果たした。同市と平泉町、JAいわて平泉などでつくる一関地方農林業振興協議会のサポートを受け、経営を軌道に乗せた。「農業は極めがいがある」と探究心旺盛。規模拡大を進める中で、より効率的な農業を追い求めている。

 熊谷さんは宮城県気仙沼市出身。宮城県内の大学を卒業後、仙台市や東京の飲食店などで仕事をしてきた。実家は農家ではないが、30歳を迎える頃、転機が訪れた。兄が一関市でシイタケを栽培していることが縁で、同協議会の「新規就農ワンストップ相談窓口」で相談し、就農準備を始めた。

 2018年7月からJAの臨時職員として生活を維持しつつ就農に向けた農業研修を受ける一関市などの「新規学卒者等就農促進支援事業」を受けてミニトマトとイチゴの栽培技術を学んだ。研修や仕事の合間には、農地探しなども、研修先の農家らと共に行った。翌年4月から3棟、8アールのハウスで就農を開始。栽培に慣れるに連れて、収量は安定してきたという。

 就農4年目を迎えた。持ち前の探究心で新しいことに挑戦する忙しい日々を過ごす。定植間隔や誘引の手法といった栽培面での生産性向上や、規模拡大に伴い、パート従業員全員が満足できるような労務管理などにも取り組む。「農業は自分の考えでさまざまなチャレンジができるのが魅力」と強調する。

 国や県の補助事業を活用して、現在は9棟、24アールまで規模を拡大。収穫や調製を行うパート従業員も20人近くまで増やし、地域ではミニトマト農家のホープとして期待も高い。

 今後は法人化も念頭に入れており、ミニトマトだけでなく冬場の菌床シイタケの栽培にも関心があるという。「これからの新規就農者のモデルになれるように頑張りたい」と意気込む。

 

熊谷さんが利用した一関地方新規就農ワンストップ相談窓口の案内ページはこちら