新規就農者

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[未来人材プラス]移住5年で「存在感」 中学からの念願かないキュウリと柿複合経営 長野県喬木村・矢野賢太郎さん(22)

 矢野賢太郎さん(22)は埼玉県の農業高校を卒業後、就農したい一心で2018年、長野県喬木村に移住した。決め手は、JAみなみ信州などが進める研修制度があったから。2年間の研修期間を経て、20年に独立就農した。若さと明るい性格で地域に溶け込み、地域の人に助けてもらいながら“その地で暮らしていける農業経営”を実践する。

 

 就農は中学2年生からの夢だった。移住から5年。周囲も「矢野君は農業を頑張っているだけではない。地域行事にも参加し、欠かせない存在だ」(JA担い手支援室)と評価する。

 

 矢野さんは、JAと管内14市町村が行う「南信州・担い手就農プロデュース」の1期生となり、同村で就農した。「農業高校で定植と収穫の経験はあったが、日頃の管理は先生任せ。ここでは何もかもが初めてで、新鮮だった」と話す。

 

 研修終了時は20歳で、JAから研修の延長を提案された。しかし、周りの農家から「農業経営は一人でやってみないと分からない」との助言を受け、独立就農を決めた。

 

 ただ、独立時に一番困ったのが住居の確保。「村にはアパートやマンションが少なく、農地はあっても住む場所がなかった」と振り返る。そんな時、住居を紹介してくれたのは、研修中に知り合った先輩農家だった。「多くの先輩農家が気にかけてくれている。困った時は農業だけでなく、どんな相談にも乗ってくれる」と笑顔を見せる。

 

 研修で学んだのは、キュウリと「市田柿」の複合経営。キュウリは栽培1年目から利益を得られ、「市田柿」は冬の収入源となる。その経営スタイルを実践中だ。JA担い手支援室によると「矢野君のキュウリの秀品率、収量は地区でトップレベル」という。

 

 「今後は新しい品目、イチゴにも挑戦してみたい」。現状にとどまらず、次の展開を視野に入れている。

 

▼矢野さんが1期生となった「南信州・担い手就農プロデュース」の情報を掲載している「南信州担い手就農ナビ」はこちら。

http://shuunou.minamishinshuu.net/