新規就農者

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[未来人材プラス]JA支援受け独立 妻と花き農家の道へ 「頑張りが結果に」魅力 北海道滝川市 山田薫さん(39)

 北海道滝川市の西滝川地区で花きを栽培する山田薫さん(39)は、建築業から転職しさまざまな苦労を経て新規就農を果たした。JAたきかわの支援を受け、規模拡大も視野に栽培に励む。

 山田さんは、帯広市のサラリーマン家庭に生まれた。卒業後、29歳まで同市内で建築関係の仕事をしていた。冬場は建築の仕事がなく、アルバイトで生活をつないでいた。そこで人材派遣会社から農家に派遣され、初めて農作業を経験した。

 その後、通年雇用の職を探し、深川市で農業法人の従業員として就職。水稲を中心とする約80ヘクタール規模で、社長と山田さんの2人が主に作業し、トラクター作業や田起こしなど農業の基本部分を学んだ。

 同法人では、作業量に合わせて従業員を増やしたが、農繁期以外は手を余す状態となった。対応策として花きの導入に挑戦。手探りの中、スターチスのハウス3棟の栽培を任された。作業に追われて勉強する時間もなく、分からないことは農家に出向いて教えてもらった。

 法人で5年、花き栽培に携わった。その後、計7年働いた職場を辞めて花で独立就農の道を選んだ。山田さんは「初めから苦労して手を掛けてきた。携わる中で、やりがいがあり、面白さもあると思った」と振り返る。

 就農先は自宅のある滝川市と決め、条件の良い農地を探し歩いた。農業委員に相談し、市やJAの支援などを受け、2019年に新規就農し、花き農家としての一歩を踏み出した。

 現在、経営面積は約1ヘクタール。妻の助けを借り、ハウス9棟を管理する。デルフィニウムやスターチスを中心に、約40種を栽培し、アスパラガスなども約10アールで生産する。

 山田さんは「頑張れば結果となって表れ、やりがいを感じることができる」と言い切る。「消費者に『きれいだね』と言われることがうれしい」と話す。

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