新規就農者

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[未来人材プラス]学び生かし堅実経営 第三者継承で稲作農家に 北海道鷹栖町・槇敦史さん(37)

 北海道鷹栖町の槇敦史さん(37)は、製薬会社の営業担当者から稲作農家に転身した。第三者継承で、経営のバトンを引き継いだ。学んだことを生かしながら、しっかりとした経営基盤を築くため、日々奮闘している。

 茨城県出身。大学卒業後、製薬会社へ就職。営業担当として札幌市の支店を皮切りに京都府に転勤、それぞれ5年間ほど勤務した。

 以前から農業に興味を持っていた槇さん。京都での生活では、妻の陽子さん(41)と共に農業が学べる社会人向け週末農学校スモールファーマーズカレッジに通い、野菜作りなどを体験した。「自然の中で自分たちが作ったものを人に届けて喜んでもらえる農業に魅了された」と振り返る。

 転機となったのは2017年。陽子さんの母方の祖父母が以前に居住していた鷹栖町を訪れたことがきっかけとなった。農業に関心があった槇さんは、同町の役場で農業や就農などについて話を聞いたり、数カ所の農家を訪問したりした。同役場から第三者継承での就農先を紹介された。就農に対する一通りの説明を受けた中、多くの人と話し合いを重ね熟慮し、就農を決心した。

 19年3月からは、農業の師匠でもあり経営を引き継ぐ元農家の下で営農技術など実践を学び、冬は座学で農業の基礎や経営を習得する2年間の研修を積んだ。そして、第三者継承の形で21年に新規就農した。

 研修期間の間は「農業次世代人材投資資金の準備型」の補助金を活用し、生活費などに充てた。農地は、農地保有合理化事業制度を使い、北海道農業公社へ賃料を支払っている。現在の規模は水稲面積13ヘクタールに「ゆめぴりか」「ななつぼし」「きらら397」の3種類を栽培する。

 独り立ちして2年目となる槇さん。「当面は今の13ヘクタールの水稲をしっかりと管理しながら、稲作農家として営農に励みたい」と意気込む。

 

▼槇さんが就農した鷹栖町の就農関連情報を紹介する町のウェブサイトはこちら。

https://www.town.takasu.hokkaido.jp/sangyou/nourinngyou/