新規就農者

新規就農者

[未来人材プラス]障害持つ次男と一緒に働く場所づくり 子育てとの両立魅力 栃木県矢板市・金田緑さん(44)

 栃木県矢板市の金田緑さん(44)は、栗とリンドウを栽培しながら4人の子育てを両立している。JAしおのやの新規就農者向けの研修で技術や知識を学びつつ、就農者同士のつながりを構築。JAの部会にも加入して栽培技術を磨き、障害を持つ次男が働ける場所づくりも目指す。

 2018年に就農した。リンドウを10アールで栽培し、市場出荷する。農薬を使わずに栽培し、直売所に出荷する栗50アールも近隣に住む両親と手がける。

 リンドウは収益性が高いことから県農業振興事務所から勧められた。定植から収穫までの1年間、JAの子会社である農業生産法人(株)グリーンさくらで研修した。基本的な知識や技術の習得に加え「何でも相談できる体制や励まし合う仲間ができたことが一番大きかった」という。ハウス建設などにかかる初期投資は、農業次世代人材投資資金で確保した。

 「子どもがいなければ農業をしていなかったかもしれない」と金田さん。元々、花が好きで、大学卒業後は東京都内の造園会社に就職。より深く学びたいと同県に戻り農業大学校に入学した。ただ、卒業後に結婚・出産と、子育てが忙しくなり農業とは一度距離ができた。

 福祉関係のパート勤務を通じ、障害のある子の就職難を知ったことが転機となった。金田さんの次男も障害がある。「もし、わが子が就職できなくても、自分が農業で生計を立てていれば一緒に働く場所がつくれる」と就農を決めた。集中的に作業する日や作業を減らす日などの働き方を自分で決められ、子育てとの両立を目指せることにも魅力を感じた。

 病害でリンドウが全滅するなどの失敗も経験したが、部会の先輩から助言を受けつつ仲間とも励まし合って営農に励んできた。「農福連携に取り組むためにもまずは技術を磨き、より良いものを作りたい」と意気込む。

 

▼金田さんが研修した「グリーンさくら」などJAしおのやの新規就農者育成研修事業を紹介するウェブサイトはこちら。

https://www.ja-shionoya.or.jp/farmers_training/