新規就農者

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[未来人材プラス]JA施設で農業研さん “稼げる”めざし奮闘 法人化への夢膨らむ 佐賀市・西岡央真さん(26)

 佐賀県のJAさが富士町ホウレンソウ部会の西岡央真さん(26)は、同JA富士町トレーニングファーム(佐賀市)の1期生で、地域農業の期待の星だ。就農3年目の現在は、8棟のハウス24アールを一人で管理する。稼げる農家を目指し日々、試行錯誤を続ける。

 同県鹿島市の出身で、実家は建材・資材の卸売業を営む。農業と無縁の生活で、高校では情報処理を専攻した。だが、「座学ばかりではない道へ」と農業を選択。熊本県立農業大学校に進学し、メロンやトマトなど施設園芸を学んだ。卒業後は福岡県の農業法人に就職して、キノコの栽培管理を担当した。

 「失敗しても自分でやった方が楽しいはず」と、個人事業主への思いを募らせる中、福岡市内で開かれた就農フェアで佐賀市のブースを発見した。実家から車で通える距離であることが決め手となり、同トレーニングファームに応募した。

 2018年1月、トレーニングファームに入り、種まきやトラクターの使い方、溝の管理など基礎からホウレンソウ作りを学んだ。肥料のまき方や水やりのタイミングなど、講師の小木秀樹さん夫妻に教わった作業要領が今も役に立っている。

 20年1月に就農した。JAが探した中山間地にある日当たりの良い土地に、大型ハウスを8棟建てた。1年目は堆肥の量など「人の話をうのみにし過ぎて」失敗したが、2年目は初年の3倍となる7240キロを出荷。持ち前の明るさで地域になじみ、JA青年部や草刈りなど地域の集まりでも存在感を発揮している。

 昨年は年5回転だったが、今年は作業性を高めて6回転を目指している。来年は隣接地にハウス4棟を新設して、24年から31アールへ面積を拡大する予定だ。当面はホウレンソウ一筋で「ロスをなくし、安定出荷すること」が目標だ。将来はさらに規模を広げ「法人化して経営に専念できれば」と目を輝かせる。

西岡さんが学んだトレーニングファームの概要はこちら